小松亮太(Ryota Komatsu)

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バンドネオン講座 VOL.1
バンドネオン講座 VOL.2
バンドネオン講座 VOL.3
バンドネオン講座 VOL.3
【楽器の入手方法・修理について】
Qさて、現在では大変貴重価値のある楽器、バンドネオン
どのようにすれば購入できるのでしょうか?
Aヨーロッパで最近新しく生産された楽器を通販で買う、タンゴファンからのコネクションで購入する、インターネットのオークションで買う、という方法などが考えられます。アルゼンチンに行けば簡単に手に入りそうですが、実際にはそうでもありません。
楽器屋さんに中古の物が置いてあったり、骨董市で見かけたこともありますが、あまり状態のいい物ではありませんでした。大概は、演奏家同士で交渉して楽器を買いますが、 バンドネオンの修理屋さんが売ってもいい楽器を持っていて交渉を持ちかけてくることもあります。

このような購入方法もあるのですが、何はともあれ、バンドネオンについてよく知っている人に実際に弾いてみてもらい、納得した上で手に入れるという過程が最低限必要だと思います。
この楽器を選ぶときに難しいのは、値段が高ければそれに比例していい楽器であるとは限らない点です。手に入れにくく数が少ないが故に、楽器の良い悪いが分かる人が少ないので、選ぶ時は細心の注意が必要だと思います。
Q早川さんはどのようにして楽器を手に入れたんですか?
A師匠の小松さんや、M.バルベーロさんから買い受けました。
Q楽器の修理はどうやってするのですか?
Aボンドを使って貼ったり、リードを自分で削ったり、ねじでとめたりと、ある程度は自分でやります。 このバンドネオンのベルトも実は自分のベルトを切って作りました。 修理をする方はバンドネオン奏者と同じく人数がとても少ないので、頼める人がいなくて困っているという現実もあります。 さらに、演奏前や演奏中に壊れることもしょっちゅうなので、自分でも修理できるようにならなくちゃと思い、修理屋さんにちょっとだけ教わりました。
【よくある質問に答えて頂きました】
Qアコーディオンとはどんな違いがあるんですか?
Aアコーディオンとバンドネオンは構造的には同じ流れの中で作られたものなので、決定的な違いはあまりありません。ただ、アコーディオンと比べてバンドネオンの方が音域が広いです。
また、バンドネオンはアコーディオンよりも蛇腹がのびます。音色も全く違いますよ。
Qクロマチック・バンドネオンって何ですか?
Aバンドネオンには実はいろいろと種類があって、その一つなのですが、この楽器は戦後に日本でタンゴが流行した時によく使われていた楽器です。クロマチック・バンドネオンは、規則的にボタンが並んでいて、かつ、蛇腹を押しても引いても同じ音が出ます。ボタンが規則的に並んでいるので、覚えやすいという利点があります。僕が使っているのはクロマチックではなくディアトニック・バンドネオンと呼ばれるものです。クロマチック・バンドネオンはディアトニックに比べて音が明るい感じがします。
Qタンゴの曲ではないものって例えばどんな曲を演奏しているのですか?
A実に多様なジャンルに渡りますが、武満徹さんはクロストークというバンドネオンのための曲を書いてらっしゃいます。また、ジャズに使われることもありますし、クラシック、特にバッハを演奏することも多いです。 ポップスのジャンルに使われたりとか、コマーシャル用の音楽で使われることも最近は多くなってきましたね。
Q日本にバンドネオン奏者ってどのくらいいるのですか?
Aうーん、日本では、プロっていうと10人くらいでしょうか。
アマチュアの演奏家の方を含めれば100人くらいになると思います。それでも、少ないですよね。
数え方にもよってかなり違ってきますが世界では、アルゼンチンをはじめとして、ウルグアイ、ブラジル、そしてヨーロッパだとフランス、ドイツ等に演奏者が多いようです。
ドイツはバンドネオン発祥の地であるので、タンゴとは違った分野で活躍する奏者も多いですね。
【普段の練習方法】
Qバンドネオンの譜面って一般にでまわっているのですか?
Aピアソラの楽譜は正式に出版されているものも多いですが、他のものはまだまだ手に入りにくいです。僕の場合はやりたいなという曲があれば、CDを聴いて譜面におこします。 演奏家同士で譜面を交換したりすることもあります。
Q教則本なんかはあるんですか?
Aあります。今では簡単に手に入るものは少ないですが、これまでに何冊かのエチュード集 が出版されています。
Q普段は何時間くらい、どんなふうに練習していますか?
A日によってまちまちですが、僕の場合は5〜6時間くらいかな。
どの楽器でも言えることだと思いますが、音階や分散和音などの機械的なトレーニングはテクニック維持・向上のためにも必要性を感じていて、なるべく取り入れるようにしています。
【それは初耳コーナー】
Qところで、バンドネオンって一音出ない音があるってほんとですか?
Aああ、ありますよ。右のラ♯と左のラ♯が出ないんです。(右図参照)
ですから例えばバンドネオンの譜面を書いていただくときなんかにこのことを伝えるとびっくりされることもあります(笑)これは皆さんほとんど知らないですね。 
【早川さんのこれがおすすめ】
☆おすすめのCD
アストル・ピアソラ:タンゴ・ゼロ・アワー (WPCS-51)
Astor Piazzolla : Tango Zero Hour

多くの人がタンゴというものに惹かれるきっかけになるんじゃないかなと思う一枚です。ジャケットもすごくかっこいいです。
フアン・ホセ・モサリーニ:ドン・バンドネオン(CAC-0051)
Juan Jose Mosalini:Don Bandoneon

バンドネオンのすごさを思い知った一枚です。ソロのバンドネオンってこんな魅力があるんだなあとこれを聴いて感じました。
ロベルト・ディ・フィリポ:インティモ(epsa -17459)
ROBERTO DI FILIPPO: Intimo: Solos De Bandoneon Ineditos

バンドネオン一台でここまでやるかという超絶技巧が聴ける。ただひたすらすごいの一言です。
バンドネオンをやってみたいという人にむけて】
僕がバンドネオンを始めようと思ったのは、ヴァイオリニストのギドン・クレーメルの「ピアソラへのオマージュ」というCDをき聴いたことにはじまります。 その後、ピアソラという音楽家に大きな興味を持ち、CDを入手し、 すごく面白い音楽だなと思いました。それから小松さんのライブを聴きに行って生のバンドネオンの音に心底感動したので、絶対プロになりたいと思ったんです。 最初は渋すぎてよくわからなかったけど、バンドネオンのソロの曲も奥が深くて、色々な表現ができる楽器だということも分かってきました。

もし、バンドネオンをやりたいと思う人は、まずちゃんとした形で教えてもらえる人を探したほうがいいと思います。奏者がいない分、先生も少ないですからね。

そういった意味で「東京・関西バンドネオン倶楽部」というアマチュア団体は、バンドネオンを始めたいという人たちにとっていい入り口だと思います。
先輩にもいろいろと話を聞けることはもちろん、年に数回、演奏会もしているのでステージでの経験を積むことも出来ます。 僕は関西バンドネオン倶楽部に定期的に教えに行っています。
http://homepage3.nifty.com/t-bandoneon-c/(東京バンドネオン倶楽部)

バンドネオンはまだまだ知名度が低い楽器です。
アコーディオンと呼ばれることもあるし、解説書にアコーディオンの一種と書かれて片付けられてしまうこともあるし、バンドネオンのつづりも間違えられます。(正しくはBandoneónです)
しかし、色々な可能性を秘めた面白い楽器です。
まだ、生で演奏を聴いたことがないという人は、是非一度、小松さんや僕らの演奏会、特にライブに足を運んでみて下さい。バンドネオンの演奏は視覚と聴覚同時に、強烈に訴えるもので、CD等だけでは味わいきれない魅力があります。

早川さんのホームページ
→ http://www.geocities.jp/puro_zurdo/
[文責:コンサートイマジン 法宗]
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